トップページへもどる



いろんな話の長文・駄文44




67大災害・大地震が起こった時に使う連絡用用紙です。

76ネタバレ無し!東野圭吾 全作品ランキング!

77東野圭吾 その作品の魅力を考える。

78★本をたくさん読む方法!★


80カプセルホテルとはどんな店かここで解説!


82ネタバレ無し!湊かなえ 全作品ランキング!

92 火事で燃えた物一覧

93


94


53 島話

51 動画紹介




本屋大賞15年分の本を読み終えて・・・(2023年9月3日)


2023年5月、本屋大賞の2004年から2018年までの
1位から10位までの150作品を全部読み終えた。

自分としては東野圭吾と湊かなえの全巻読破もわりと楽しめたので、
これくらい余裕と思ったらとんでもなくしんどかった。
どれくらいキツイかというと東野圭吾全巻読破の30倍きつかった。

ここまで痛い目に遭うとは思わなかったくらいなので、
そのいらだたしさと理由を書きつらねたい。



●なぜ読み始めたか?

昔、本屋大賞の存在自体が凄く話題になった。
それでいつか読みたいな・・・と漠然と思っていた。

始める時は1作品のゲームプレー時間に60時間とか100時間使っているのなら、
小説何作も読んだ方が良いのでは?と思ったのがきっかけだ。

小説はゲームより濃密なものが多いし、感想も重めで心に残りやすい。
小説は映画2時間見るより気が楽に思えた。

なにより東野圭吾の全巻読破が心地良くて、
人が勧める本や読んだことがない本や名作を
たくさん読める楽しみもあると思った。

また読もうとした本も図書館に大量にあるのでタダで済むし、
本はどこにも持っていけるし、別に急ぐ必要もない
苦しみが無いリスクゼロの遊びに思えた。



●本を読むのが苦しかった理由

1.本が多過ぎた。
15年分の1位〜10位までなので
150作品は多過ぎた。(上下巻文庫など合わせると178冊)。

覚悟はしていたけど、上下巻や上中下巻、
600ページを超える作品もキツイ。
1冊10時間で読めない本もザラにあった。

2.面白くない本がある。これだけ種類があるなら
面白くない本もあるとは思ったけど、想像以上のきつさだった。
時代物とか、悪質ないじめの物語とか読んでいて気が滅入る。
そういう本に限ってページ数500とか600ページとかあったりするから困る。

3.いろんな作家が居て読んでいて安定感がない。
例えば東野圭吾や湊かなえなら殺人事件が起こり、
それが最後に解決する、それにスッキリする心地良さがある。
でも世の中の本はそんな本の方が少ない。
次から次へといろんな事をして何も残らない本もあった。

4.自分は本を読む速さは人並とは思ったけど、そうでもない。
本当に本を読む人は本当に時間をかけて、しっかり読むという当然の事実があった。
自分は1時間すると飽きてくる。そりゃあ読破に5年もかかるわけだ。

5.記憶に残らない。記憶というのはちょっとした貯金と思っているものの、
時間と老化で読んでも記憶に残らないことが最近増え過ぎた。
だから読む価値は意外と弱い。例えば最初の頃の本の内容は覚えてない。

6.読む前はいろんな名作が読めると思ったけど、この賞は名作とかは関係ない。
売れてない作家に注目してやったり、上中下巻売ろうとか、少しくらいつまらなくても
出版社間の政治的な作品ノミネートされた本があるように思う。
それがうんざりする感じはあった。

7.読破生活後半になると生活の隙間に読むという事は減って、
読書が生活の優先ランクで上の方になってしまった。

他に自分の好きな事やりたいことが、なぜかできにくくなってきた。
読み終わったらあれしようこれしようとか書いたけど、
別に読みながらできることなのに、やりづらくなっていた。



●150作品読んで得たもの

1.「本を読んでも人生は変わらない」と再確認できた。

人生が変わる本というワードにトキメキを持ったこともあるけど、
実際はそんなことはあり得ない。人生が変わるのは学校に通う、仕事をする、
結婚、出産、就職、転職、身内の死去、老後くらいなものだ。

2.知らない作家の本が読めた。
桜庭一樹や原田マハや、人気と言われる百田尚樹、
西加奈子、辻村深月などが読めて良かった。
作品なら「かがみの孤城」が読めたのは良かった。
噂だけでなくどんな作品か知ることはできた。

3.「本なら頑張れば何とか全部読み終える」
という自己満足を再再確認できた。
それはこれまでの経験でやれる事はわかっていたが。

4.人生の時間は決まっている。
時間は有限で自分が望まない本をたくさん読むのは
勿体ないという当たり前の事実を知った。

5.自分は残りの人生を考える段階に入ってしまったとわかった。

もう残りの人生でこんな大量読破はしてはいけない。

それは本だけの話ではなくてアニメ・ゲーム・漫画もそうだ。
例えばスーパーナチュラルのドラマ327話×40分見るのは全部見てやろうと思うのは
ハードルが高いと思い知るし、最初から見るのをやめようと心から思える。
漫画の30巻40巻は時間があれば何とかなるけど、
物事を始める前に何が大切か少し考えた方が良い。

6.「いつかやってみたい」事が本屋大賞の本を全部読むことだった

しかし人間やってみたい事をやればいいものではないと思い知る。
とにかくDo it!という他人にわからない無責任なアドバイスは受けない方が良い。

7.極論を言えば本は読まなくて生きていける。
本より人との出会いの方がよっぽど大事に思う。

8.途中で投げ出すのが苦手な性格は大損である。
柔軟に物事を考え、途中でも捨てる覚悟は必要。

9.「自分を苦しめることができるのは自分」という当たり前の事実を知った。

あとタダより怖いものはないというのがこれだという事がわかった。

10.自分に小説家の才能も文才の才能もない。
わかっていたことだが、本当に何もないなと思った。
この文章をこう表現はおかしいとか、
こうすれば良くなると思う事はほぼ無かった。




●150作品読んで失ったもの

1.時間。
本を150作品読むのはゲーム20本やるより濃厚なのでは?
と思ったのは正解である。ただ楽しさの面で言えばゲームよりかなり低い。
音・色・演出・楽しさの面でゲームには勝てないし、憂鬱なものも多い。

2.心。平日疲れて帰ってきて本を1ページも読まない日も普通にある。
その時「ああ読めなかった」「進めなかった」と思ってしまうのが損に感じてしまう。
だからと言って1日で200ページ読めても気持ちいいとは思わない。

そして本を読むために喫茶店に無理して行ったり、
旅行の計画を立てたこともある。そこまでしないと読む気になれなかったり
進まないのだから読書は苦痛扱いと言われても仕方ない。

3.本を読んで成長することはなかった。
昔は本を読むだけでその本で得た知識が
脳髄に流れる感覚すらあったけど、今は何もない。

4.視力が落ちた・・・。間違いなく本を読まなくても落ちたろうが、
今は眼鏡なしじゃ生きていけない。



●どうすれば良かったか?

どうすれば良かったかといえば、
本屋大賞歴代1位だけ読めばよかった。
15年分15冊が物足りなければ1〜3位で45冊でもよかった。
とにかく150作品は多い。

それか本屋大賞の本を読まずに
気になる小説家が出した本で一番人気作品はどれか調べて、
一番人気の本だけ読めば良かった。
それで大体の雰囲気がわかる。
面白ければその作家の本をどんどん読めば良いだけの事だ。

途中でやめたり、もっとのんびりしても良かったけど、
こういう時だけ中途半端は良くないとか思うからどうしようもない性格だ。
中途半端でも捨てて良いものがあると覚悟しておくべきだった。

残り50冊を超えてくると早く読み終わりたいと思うようになって、
それが毎日ちょっとずつ自分を苦しめた。選ぶ選択肢はなくなっていき
最後の2年は本の奴隷だった。

とにかく本は気楽に読みたいなと思う時が
本を読むベストだという事。



●本屋大賞マイベスト5



ここで自分が読んだ150作品のベスト5とワースト5を書き連ねて終わりにしたい。
これくらい書かないといけないほど思うものがあった。


ベスト5
1.かがみの孤城
・・・1冊で月誌の感想で一番長い文章を書けた。それくらいインパクトあった。引きこもってゲームする子供を大切に守る発想が自分にはなかった。宮崎映画を初めて見るような衝撃あった。
2.鴨川ホルモー・・・大学1年生が女子に惚れて変な部活に入り鬼を操る者になるが、失恋し物語は変な方向へ流れるのは予想がつかなかった。最後に嫌な奴との対決、そして他の女と付き合うという結末に青春を感じた。本が薄いのもいい。
3.屍人荘の殺人・・・連続殺人事件のミステリーにゾンビが大量に出てくるという発想がまずありえなさ過ぎて面白い。それだけでもう発想勝ち。続編がイマイチなのは残念。
4.赤朽葉家の伝説・・・赤朽葉家三代に渡る物語。スケールよりその内容の馬鹿々々しさと3代とも毛色の違う話が面白い。特に二代目はレディースの女で漫画家というのが奇妙だ。
5.のぼうの城・・・他の歴史小説や時代小説は苦手だったけど、これは面白かった。現代の日本と比べて過去と比較する。話も長すぎず空行、改行、かみ砕いた表現など納得も多く、シンプルで読んでいて心地良い。


ワースト5
1.黄金旅風
・・・読んでいて数回読むのを挫折、月誌でもこれでもかと否定的なことは書いたけど、なんとか読み終わっても何も得ていない感じがすごい。ページも多いし、自分に合わない作品1位。
2.出星前夜・・・上記の作者の他の作品、読む前からワースト2位を決めていたけど間違いはなかった。これも「自分に合わない」それに尽きる。最後まで読めば良さはあるものの、それを補うマイナスも多い。
3.告白(町田康の本)・・・読み終わった印象としては悪くないけど、10人殺しをするまでの不幸な人生は読んでいて滅入る。主人公の無駄な思考や鬱陶しい文章も長くて680ページも多い。
4.ベルカ、吠えないのか・・・内容が詩人のようで ついていけないし、キザな感じもちょっと・・・いい所もあるが自分には合わないところも多い。
5.キラキラ共和国・・・前作ツバキ文具店は生の字を使った物語にすごく惹かれたし、そのパワーを受け取ったものだけど、続編のこれはパワーダウンしてガッカリ、その反動は自分の中で大きかった。



●最後に・・・

本を読むのは楽しい面もあるけど、
読み終わるのがゲームクリアみたいに思うのは悪い事かなと思う。
本はゲームではない。




掲示板と生きた日々。(2012年6月10日)


ネット上で何かをすれば、誰でも一つは成功することがある。

人によってそれは商売だったり、結婚相手を探したり、
趣味を広めたり、友達探しだったりするけど、
自分の場合はインターネットのある掲示板で人を集めたことだった。


自分が掲示板にのめり込んだのは、
友達も彼女もなく、夢も薄くなり、世界に訴えるものが何もなく、
孤独の日々の中で、単純に掲示板へ書き込んだ文字に返信(レス)されることが、
自分の狭い部屋から世界のどこかにつながった気がして「単純に嬉しかった」。
とにかく毎日掲示板で何かを書き込むこと自体が楽しかった。

自分が作ったコミュニティはもうかなり古い・・・
この話はいわば時効とも言える昔話かもしれない。



当時ネットのコミュニティの頂点に「掲示板」があって、
毎日自分の掲示板に書き込んでいれば、毎日誰かが書き込みに来てくれた。
とにかく毎日返信に追われるくらい人は来た。
そもそも当時はネットの世界が狭かったのも大きかった。

毎日あ〜でもない、こ〜でもないと色々話し合った。
時には書き込みで口喧嘩とかあったけど、
自分としてはとにかく口喧嘩の内容より
人が減ってコミュニティが消えないよう努力を続けた。

そうやって順調に何年も続く、
(少なくとも自分は)楽しいと思えるコミュニティになった。



そのうち掲示板で「みんなで会ってみないか」という話になった。
これはネットの世界では逃げられない話で、
小心者の自分は人に会うのが怖かった。

自分がいかにつまらない人間か知られるようで・・・それに
ネット上でよく言われていたのが「人に会えば掲示板は終わる」という話だった。

恐れはあったけど周りの人は全員何回も会っているのに、
自分だけが人に会っていないというのがとても不自然で、自分も書き込んでる人は
本当はどういう人か知りたい欲求に耐えきれず会うこととなった。


そして実際会うと・・・みんながかなり大人だったことに驚いた。
自分はいつまでも子供のように生きていたけど、
同年代、そして自分がいかに年を重ねていたか思い知ることになった。

結局会っても掲示板は終わらなかったけど、
会った後、平気で来なくなるわかりやすい人もいた。

とにかく会ってからの2〜3年は楽しかった。
自分に友達ができたんだと思い、会場に行けば誰かと話ができて、
掲示板がみんなの学校のようでもあった。



自分が作った掲示板がすたれたのは、
コミュニティを作って3,4年だろうか?
誰でも作れる簡易ブログとmixiの登場が大きかった。

みんなが集まる掲示板は
やめる人も新しく入る人も同じくらいだったけど、
続けている人には安定した状態が維持されず
不満があるのがありありだった。

ネット上の喧嘩もあるたびにブログやmixiに人が流れて、
いつしか午後10時〜11時に人が集まることは無くなった。
もちろん話題にしていたものが徐々に人気を失っていったこと、
結婚や仕事で忙しくてやめる人も多かった。


また主催者たる自分に対する不満も多かった。

自分自身ネットで皆が楽しむように文章は書いても、
実際の生の自分は楽しい人間でもなく、
掲示板で「リアルではあまり話さないよね」と平気で言われた。

開催地も僕だけ遠いのでオフの参加も少なく、
たまに会っても避けられて当然の空気もあった。
「僕自身があまり行けないから、逆にこういうコミュニティを作った」面も
当然好かれなかった。

頑張ってネット上でアンケートや
占いなどみんなを楽しませ、笑わせようと頑張っても
自分という中の人を知られるにつれて、話されることは減っていった。



長い年月を重ねた掲示板だけど、
最後はやはり自分個人の面白さや楽しさ・・・リアルの
パーソナリティーの能力がモノを言うのだなと心から感じる。
掲示板の常連同士は僕を除いてよく会っていたし、
今も僕を忘れて仲良くしている人達もいるだろう。

そして、やっぱり自分は
いかにつまらない人間か身に染みてわかった。

そんなつまらない人間でも
「ネット上で何かをすれば一つはうまくいくこともある」
・・・ということを掲示板は教えてくれた。



掲示板は何も得るものが無かったかもしれないけど、自分の経験にはなった。
まずネット上でいろいろ言い争っても、
リアルでお互い話せば解決できる話がほとんどだと知った。
だからネット上の文章で死ぬほど怒ることは減った。

そして、この経験で人に会うのが怖く無くなった。
もう人に会うのに変な期待は無い。
たとえ女性と会う約束でも、30代の男に会う気分でしかないくらいだ。


自分が作った掲示板は・・・だいぶ書き込みが少なくなった今でも、
自分一人で誰が来なくても書き込みを続けている。

書き込むことに楽しい気持ちはもうない。
でも、こういう不毛で不器用な姿が本当の自分なんだなという感じるこの頃だ。



海外ドラマ「LOST」完結(2011年8月16日)


「24」と時同じく、海外ドラマ「LOST」も完結した。
「LOST」は無人島に墜落した生存者達の物語だ。
何十人もの乗客が助け合ったり、憎みあったり、愛し合ったり、涙ありの、
よくある無人島物語・・・ではあるけど、島にはいくつもの秘密があり、
なんとも言えない不思議な感じが強く、他のドラマに無い独特の緊張感がある。
毎回、過去のフラッシュバックを含め話が気になり、面白い。


この「LOST」に影響されて無人島系のサバイバル物語が
この10年、日本や世界中にたくさん生まれた。
これを見て「自分ならこうする〜」と思った人も多かったろう。

もちろん自分の書いている「11少年少女漂流記」もそうで、
もし「LOST」が全員日本人だったら・・・という安易な発想で生まれた。
(この話は長くなるので他で書きます)。


LOSTの物語のスケールもさることながら
物語の長さも大満足で、主人公の医師ジャックを中心に
詐欺師や犯罪者に元ミュージシャンそれに妊婦、イラク人や韓国人夫婦、
障害を持った人間が言い争いながら生きる姿は面白い。
登場人物のリアル老化も物語上の時間をしっかり使い違和感を無くし、

常に話にSF的・哲学的・宗教的なものを漂わせ、波長が合えば
これ以上のドラマは無いと思う人も多いのではないかと思う。

もちろん「24」のような効果音・BGMも良く、LOSTの死者に対する考え方、
あの人物はどうなったのかなど、同じ島民の敵の存在や語るべき部分も多い。
個人的には展開に慣れてしまった「24」より、LOSTの方がミステリアスで好きだった。

そしてすごいのはそのドラマ予算。1話に2億くらいかけているらしく、
飛行機を買ってハワイの海岸で分解、海岸を借り切って撮影という感じで、
CGも映画ほどではないけどガッツリ使っている。


登場人物達は何人か死に、いろんな思い出や苦難を乗り越え、
ファイナルシーズンでついに完結したが、
書けばネタバレになるので何も言えないけど、
個人的によくぞここまで物語を描いたな・・・と思う。


・・・と、べた褒めで書くしかなかったLOSTだけど、
LOSTは無人島物語の最高峰に立った影で無人島物語の限界も露出した。

結局無人島の話だから狭苦しい。話が長引くにつれ、息苦しく感じる。
そのために謎やフラッシュバックなどを用意されていてもだ。

それに謎が解けるのが遅い。何年にも渡って話が続いているから、
1シーズンぶりに見ると脇役が多いから話がわからないことが多い。
フラッシュバックも似た話が多く、「それ解決してなかった?」と思うことも多い。

まあ、それを含めてLOSTはスゴイんだけども。

一度、物語の整合性が合ってるか最初から確認したいくらい。
この文章を読んで一気に見ようとする人が少しうらやましいけど、
物語の長さには覚悟が必要です。本当に。




海外ドラマ「24〜TWENTY FOUR〜」完結 (2011年5月20日)


自分が海外ドラマをよく見るようになったのは「24〜TWENTY FOUR〜」がきっかけだ。
アメリカのCTU(カウンター・テロリスト・ユニット)所属の
連邦捜査官ジャック・バウワーがテロリストと戦う物語で、
話の展開の速さ・意外性・そしてリアルタイムで物語が進行する奇抜さは、
自分の中にあるTVドラマというものを全く変えてくれた。

特に登場人物が「15分後に到着する」と言えば
本当に15分後に到着するなど、時間設定には感心しっぱなし。
BGMの盛り上げも最高に素晴らしく、CTUという組織もハイテク(死語?)を駆使して、
衛星や監視カメラや設計図や集め、現場のジャックと戦う姿は格好良いとしか言いようがない。

またジャック・バウワーの化け物ぶりも凄くて、
24時間眠らないのは当然だけど、1日に10数回銃撃戦をし、
敵につかまれば拷問を受け、そこから必死で逃げたり、
一人で敵を全滅させたり、逆に敵を拷問する姿ですらカッコいい。
女テロリストの首をつかんで「さあ、吐け!」と壁に叩きつける姿にはそこまでやるかと笑ってしまう。
他のドラマが真似にしにくい画面のカット割りも上手く、2001年の911のアメリカから始まった
テロとの戦いをテーマにした、まさに2000年代を代表するテレビドラマだったと言えると思う。

しかし、24はシーズン1〜2あたりは最高!って思うんだけど、
だんだんシーズンを重ねるごとに酷くなり、内容にも慣れてしまう・・・。

特に物語の意外性というのが矛盾が酷く、
実は大統領の側近がスパイなら殺せるチャンスありまくりだったろ!とか、
CTU内にスパイが居るのならもっと早い段階で邪魔できただろ!と突っ込みどころが多くなり、
登場人物も「矛盾しています!」とすら言い出す馬鹿ドラマになってくる。
話も場面によっては同じ部屋を行ったり来たりが多いし、
またリアルタイムに動いている設定なのにCTUから10分弱で
敵のアジトに行けたり、作る方も雑になってくる。

そして登場人物も結局ほとんど死んでしまい、
誰1人ハッピーにならない物語にはやはり凹む。
24は衝撃的な展開を見せるためにあまりに人が死にすぎる。
特にあるシーズンの第1話に3人主要人物が死んだのは、
これまでずっと命を守ってきた存在だけに驚きよりガッカリでしかなかった。

この大量死のシーズンの後、アホらしくて3年くらい24から離れたけど、
結局ファイナルシーズンまで見たのはやはり馬鹿馬鹿しくても
衝撃的な話を見たいという欲求を満たしてくれるし、ファイナルで終わると安心したし、
人が死ぬのが減り、拷問も問題ある・・・と衝撃的な話を考え続けた
製作者サイドの反省が見られたからだ。

そしてファイナルシーズンをついに今月見終わったが・・・やはり馬鹿ドラマだった。
正義の名の下になんでもアリの終盤で、大量虐殺を行ったジャックは
もはやテロリスト以外の何者でもなかった。
その姿は何かアメリカをあらわしているようで恐ろしさもあった。

これからも「24」は馬鹿馬鹿しい物語扱いはされるけど、とにかく最後まで見れて良かった。
ちょうど今月911の首謀者ビン・ラディンが殺害されたのも何か不思議に感じたが。



トップページへもどる