知恵ノート86


「名古屋グランパス2016年降格の理由」



2016年降格してしまった名古屋グランパス・・・
その原因と理由を1人のグランパスファンとして
少し考察してみたい。


間違っていれば質問をください。
それも降格の理由の一つになるでしょう。

それくらい2016年の名古屋は
複合的に悪い要素が詰まったチームであった。


ここではサッカー観戦でよく言われる・・
「やる気がない」「フィジカルが弱い」「連携が駄目」、
「パスが下手」「シュートが下手」、
「守備が弱い」「攻撃が弱い」は書きません。




1●小倉監督の経験と実力の無さ。


もういろんな理由を考えても、
やはりサッカーは監督の存在が一番大きい。

小倉監督の就任は大失敗だった。

試合に出場するのは選手だし、走るのも
シュートをするのも守るのも選手ではあるけど、
監督一人でチームのすべてが変わるのは当然のことだ。

選手をどのポジションに置き、どう動き、
誰がFKを蹴り、複数のポジションができる選手はどう配置するか、
どう攻めて、どう守って、選手の考え方をどう把握し、
どのように試合を進めるか、サッカーの監督の仕事は多い。

かつてベンゲル監督が最下位争いする名古屋を
半年で優勝争いをするチームに変えたように
やはりサッカーは監督の力が一番大きい。


小倉はその点、監督の経験どころか、
コーチの経験もないのが一番まずかった。
チームが苦境になっても対処が
できなかったのではないだろうか?

本当に勝てなくなって仕方なく5バックを受け入れたこと、
解任後のチームの変わりようを考えても、
西野監督の後任としては物足りなかった。



2●フロントが雇用した小倉監督、降格危機意識の薄さ


では、そんな小倉監督兼GMを雇ったのは誰かと言えば
名古屋のフロントに他ならない。

なぜ何の実績も無い小倉隆史を雇ったのか?
なぜ知名度の高さで監督を決めてしまったのか?


開幕前に噂のあった鹿児島を昇格させ、
いろんなクラブでコーチや監督代行し、
名古屋OBの浅野哲也監督ではいけなかったのか?



問題なのが解任が遅すぎたことだ。
18戦未勝利という名古屋の最低記録を作り、
8月23日になってやっと小倉監督が解任されたが、
その時点で残り8試合しかなかった。

2016年シーズンはW杯予選の関係で
11月3日という速さでリーグが終わるだけに、
フロントの動きの遅さも致命傷になってしまった。


なお、久米社長は小倉を信じて欲しいと言い続け、
7月23日での残留争いをする甲府にホームで負けた試合では・・・

「逃げない、投げ出さない、あきらめない。
この3つをテーマに、今年1年戦っていく」

「長年この仕事をやってきた私の経験からして、
今(監督を)代えても良いことはない。皆さんは代えると
思っているかもしれませんけど、絶対に代えませんから。
私が先頭を切って小倉をフルサポートしていきます」


こう宣言したものの、
小倉解任後もフロントに居続けて、
降格した翌日やっと辞任となった。



3●いきなり監督業を成功させたストイコビッチ監督の影響


久米社長はなぜそこまで小倉監督に入れ込んだのか?
なぜ小倉監督を育てないといけないと
緊急のサポーターズミーティングで力説したのか?

その理由は2008年から2013年に指導経験がなく、
監督を務めたストイコビッチ監督に理由があるかもしれない。


ストイコビッチ監督は2008年まで監督のライセンスを
持っていなかったが、欧州で免許を取得し、
名古屋の監督に就任するやいなや、
いきなりリーグ3位の結果を残し、
2009年はACL4位、天皇杯で準優勝すると
2010年には悲願のJ1制覇と快進撃を見せた。

ストイコビッチ監督も指導経験の無い素人であったが、
結果を残し、知名度も大きく、かなり話題となった。

一方、小倉も名古屋のOBとして人気があり、
テレビや解説でも全国的な知名度はそれなりに高かった。
言うなれば小倉監督は二匹目のドジョウだったのかもしれない・・・


でも素人から見てもストイコビッチと小倉隆史とでは、
キャリアがあまりに違い過ぎたのではないだろうか?

ストイコビッチは天才としていくつもクラブを背負い、
民族もバラバラの国を背負ってキャプテンもし、
W杯やユーロや五輪に出場し、
引退後も母国のクラブの会長、サッカー協会の会長もし、
UEFA(欧州サッカー連盟)のプロ免許取得後
すぐ名古屋に来てくれた「プロ中のプロでエリート」であって、

小倉は現役中怪我ばかりで日本を背負う存在と言われながら、
背負わずに引退した「普通のプロサッカー選手」ではないだろうか。


サッカーは指導経験なく
いきなり監督で成功する人の方が少ないだろう・・・

ストイコビッチは「監督としても天才」だったと、
フロントは誰も気付かなかったのかもしれない。



4●重すぎた開幕戦アウェー勝利と2節広島にドロー


あたり前だけどサッカーの試合で
勝ち点を取る試合は大事なことだ。

だけどそれが逆効果になる場合もあるかもしれない。

今年の名古屋で言えば
初監督なのにアウェーでいきなり勝利し、
昨年のJ王者の広島にドローになったのは
「かなりいけるのでは?」と思わせるものがあった。
このままチーム・監督が育てば来年、2年後は
かなり強いのでは?とすら思った。

しかも3節で川崎相手に
壮絶な打ち合いで2−3で敗戦、
4節では仙台に5年ぶりの勝利と、
試合内容は相手に支配される試合は多いものの、
そこまで悪くないと踏んでいた。


だけど後から見ると「ぬか喜び」だった。
序盤の好成績が小倉監督の解任を遅らせたし、
チームの本当の力があまりわかっていなかった。

相手に試合を支配されても、永井の高速カウンターと
シモビッチの高さでいけるなんて思っていた。


ちなみに磐田とは最後まで残留争いをし、
広島は年間順位6位だった。



5●怪我人の多さ。


怪我人はどこのクラブにもいるものだけど、
少ないに越したことは無い。

名古屋がJ1で優勝した時は2チーム並の戦力があって、
スタメンの怪我人が中村と闘莉王くらいしか居なかった。

今年の名古屋の怪我人は以下の通りだけど、
もう少しいたような気がする。

3月4日左足関節外側側副靭帯損傷 川又賢碁 全治10日
3月19日右ハムストリング肉離れ 松田力 6週間
4月10日左腸腰筋損傷 明神智和 全治3週間
4月10日右肘関節亜脱臼 楢崎正剛 全治3週間
4月29日右ハムストリング肉離れ 松田力 全治6週間
5月8日右ハムストリング筋損傷 和泉竜司 全治3週間
6月18日左膝部骨挫傷 田口泰士 全治2〜3週間
7月5日右環指中節骨骨折 森勇人 全治6週間
7月9日左大腿四頭筋筋挫傷および筋内血腫 小川佳純 全治4週間
7月13日左第3および第4腰椎横突起骨折 扇原貴宏 全治4〜6週間
7月17日右ハムストリング筋損傷 ハ・デソン 全治4週間
8月10日左大腿四頭筋筋損傷 オーマン 全治2〜3週間
8月11日左ハムストリング筋損傷 シモビッチ 全治2〜3週間
8月18日右大腿四頭筋筋損傷 高橋諒 全治3〜4週間



6●闘莉王と契約せず開幕、そして遅すぎた闘莉王の復帰。


闘莉王(トゥーリオ)となぜ契約しなかったの?と
他のサポからよく聞かれたけど、
理由として1億5千万円(プラスボーナス有)の
年俸があまりに高かった。

闘莉王は怪我をしていないにもかかわらず、
他のクラブからオファーもされない金額だった。

小倉監督(GM)も35歳でその年俸は高すぎると踏んで、
年俸7千万円で3番目のFW扱いで
契約しようとしたけど怒ることなく普通に断られた。

今にして思えばこれが残留と降格の
境界線だったのかもしれない。

それくらい名古屋は長年、
守備にも得点にも闘莉王に頼り過ぎた。

(闘莉王の全経歴は2016年末現在で、
J1J2リーグカップ合わせて、
504試合に出場、103得点もしている選手だ)

もちろん残された選手たちも「闘莉王だっていつか居なくなる!
今度は自分たちで頑張らねば!」と、
熱い思いはあったろうが・・・現実は厳しかった。

J2の千葉から戻ってきて2年目の竹内と
新加入3年目の大武が、闘莉王と同じポジションで頑張っても
時間と共に欠点が目につくようになった。


そしてリーグ残り7試合で闘莉王は電撃復帰を果たしたが、
闘莉王自身ももうちょっと早く呼んでもらえたら良かったと
発言したように、名古屋復帰があまりに遅かった。



7●育てたDFが京都へ移籍、そしてDFの慢性的な少なさ


2016年シーズンが始まる前、
名古屋からDF 牟田雄祐 DF 本多勇喜が
京都に移籍した。

名古屋としてはJ1でスタメンで試合にも出ているし、
二人そろって喜んでJ2に移籍するわけがないと、
タカをくくっていたのかもしれない。

二人はここ3年の名古屋の主力で、
大卒から育てたと言ってもいい選手だった。

これは元名古屋のスカウトが京都に就任したことにより、
決まった移籍(引き抜き)だったものの、
名古屋としては間違いなく戦力ダウンだった。


闘莉王を含め、センターバックが減ったことにより、
名古屋はDFの枚数不足に常に悩むこととなった。

不幸中の幸いで竹内と大武は
あまりケガをしなかったが・・・



8●薄給路線の失敗


名古屋と言えば大金持ちのイメージを
持っているサッカーファンもいるかもしれない。
しかし、もうそういう時代は終わったと言ってもいい。


ここ数年の名古屋の監督の年俸を見ればあきらかだ。
ストイコビッチ監督1億3千万円と比べて、
次の西野監督8千万円、
小倉GM兼監督は3千万円まで下がっている。


全選手の年俸も、あるデータでは
2010年2011年には全J1クラブ中2位だったものの、
2016年は10位にまで下がっている。

2012年は闘莉王に1億5千万ケネディに1億円、
楢崎に9千万円、玉田に8500万円年俸があったものの、
2016年は楢崎以外5000万円以下のプレーヤーだ。

これだけ見ても、
もう昔の名古屋と違うとわかるだろう。



9●世代交代の失敗と、クラブライセンス制度の重責


世代交代の失敗は以前強かった
サッカークラブに語られることだけど、
(磐田、ヴェルディなど・・・)
名古屋も例外なく世代交代に失敗した。


2010年に名古屋がJ1で優勝した時、
チームはあきらかにベテラン軍団だった。

楢崎、闘莉王、増川、田中隼磨、千代反田、竹内、阿部
中村直志、マギヌン、小川、吉村、ダニルソン、金崎、サントス、
玉田、ケネディ、杉本などなど・・・

スポーツはベテランほど給料は高くしないといけないし、
結果を残せば給料を高く用意しないといけない。

その結果、核となる楢崎、闘莉王、ケネディに高年俸を用意し、

なおかつ溜まった赤字もあるので、赤字を3年連続でしたら
自動降格にされるクラブライセンス制度を通るために、
他のクラブが名古屋より良い給料を用意されたら
選手の移籍を次々と許すしかなかった。

もちろん代わりとして新人の
青木亮太、小屋松知哉、松田力、矢田旭、吉田眞紀人、
望月嶺臣、ハーフナー・ニッキなど10数人の若手は加入したが、
試合で大活躍してベテランからポジションを奪って
スタメンになることはあまりなかった。



10●育成路線の失敗


ストイコビッチ監督のチームは間違いなく強かった。
ただ選手も育てていこうとするタイプの監督ではなかった。

今、一番いい選手を優先して使う監督であって、
若手を育てるために試合に出す面は弱かった、
そして常にもっといい選手が欲しいと言っていた。

これには名古屋サポも
若手をもっと育てないといけないと、
若手待望論は根強かった。

そしてストイコビッチ時代に赤字が増え過ぎたせいか、
2014年からガンバ大阪で長年監督をし、
何人も代表選手まで育てた育成に定評がある西野監督が就任し、
磯村亮太、小屋松知哉、矢田旭など何人も若手選手が
試合で使われたもののそこまでの大活躍は無かった・・・

むしろ、そこで育てた牟田や本多が名古屋を出て行った。

田口泰士や小川佳純や永井も悪い選手ではないが、
2016年は決めきれない試合が多かった。


育成路線と言えば、名古屋より断然安いコストで
選手を育て上げ、選手が何人移籍されても
4年で3回もJ1優勝したサンフレッチェ広島の
影響も大きかったように思う。

広島と同じことをしても失敗をするチームの方が
多かったろうが、累積の赤字によって
目指すしかなかったのかもしれない。



11●的外れの夏の補強


グランパスがシーズン中に低迷すると必ずと言っていいほど、
夏に強力な選手を連れてくるのがいつものパターンだ。

そこから連勝が始まって、最初からその選手が居れば
優勝争いをしたのでは?と総ツッコミを食らう。
過去の補強でわかりやすい選手をピックアップしよう。


2006年 ヨンセン・・・7月に加入してからリーグ戦で10ゴールをマークし、
簡単に残留争いから抜け出せた立役者。
その後、名古屋ではリーグ・カップ戦を含め42ゴールした。


2009年 ケネディ・・・名古屋では言わずと知れた優勝時代のFW.、
7月に加入した翌年から2年連続得点王に輝き、
日本への適応は抜群だった。ちなみにこの7月に
ブルザノビッチや三都主アレサンドロも加入している。


2014年 レアンドロ・ドミンゲス・・・2011年柏の優勝に貢献し、
JリーグMVPを獲得した天才選手、パスもシュートも一流。
一度レアンドロ・ドミンゲスで得点シーンの動画を見て欲しい。
また8月には川又堅碁も獲得している。


そして2016年の獲得は・・・

J2セレッソ大阪で控え選手のMF扇原、
J1FC東京で出番がないMFハ・デソン、
J2松本山雅でほとんど出場していないDF酒井・・・

これが補強?名古屋のファンは唖然とした。
強力な外国人FWは無く、MFに人数をかけ、
DFは数が少ないのに酒井のみの補強・・・


この補強は小倉監督がボランチを
強化して中盤を活性化させたいという理由だったが、

結局この補強もあまり効果なく、
扇原は名古屋に来て2試合目で怪我、
実力を出すことなく試合に出なくなる。

ハ・デソンも9試合に出たものの
怪我で6試合不在は重かった。


そして怪我無く一番使えたのがDF酒井だったが
補強としては、やはり物足りなさはあった。

結局、闘莉王が秋に復帰したが、
7月の時点で補強すべきだった。

小倉監督が春に断られたから
オファーしにくかったのかもしれないが・・・
そこに監督としての経験の無さが出たのかもしれない。

しかし闘莉王は半年以上サッカーから離れていたので、
今にして思えば体調も万全だったかはわからない。


ちなみに夏の補強は元名古屋で
プレミアリーグ サウサンプトンに居る吉田麻也に
年俸2億円でオファーを出したが、当然来ることは無かった。

吉田麻也のプレミアリーグの年俸は
推定3億9千万円の時点で来ることなどありえず、

名古屋在籍中にも海外への憧れがあり、
勉強をしている姿を見たことを
フロントは知っているはずなのに
なぜオファーしたのか意味不明だった。


一方で残留争いのライバル甲府はブラジル人3人を補強し、
甲府は残留のためにこの年、外国人を8人も試したことになる。


12●チーム全体の走行距離が少ない名古屋、試合間際の失点の多さ。


サッカーは選手の走行距離が
多ければ良いというスポーツではない。

むしろチーム全員が疲れず点差をつけて勝って、
次の試合に余裕をもって戦うのが理想の一つと言える。


だけど今年の名古屋は本当に走る試合が少なかった。
走ればいいというものではないけど、
名古屋は素人が見ても走らない、
負けているのに走らないチームではなかったか?
http://www.jleague.jp/stats/distance.html

今年が悪いだけなら、そうだったのかで済む話だけど、

去年はトラッキングデータで18チーム中最下位で、
今年は1位だった湘南からフィジカルコーチを
呼んできたのにもかかわらず走らなかった。


問題なのがチームがそれほど走らないのに
終盤動きがにぶくなり、失点が終盤に多い事だ。
総失点58のうち、試合残り30分で30失点もしている。
http://www.totoone.jp/blog/datawatch/timezone.php?kind=2

スポーツで何の成長も無ければ試合に勝てないだろう。


13●ラッキーボーイの不在


サッカーリーグの長いシーズンで
運や不運を語るのもどうかと思うけど、
残留を決める試合や後から見たら
あれが重かったなと思う勝利は必ずある。

名古屋で言えば2005年の降格危機は
鴨川選手が敗戦濃厚と言われたガンバから
得点をもぎ取り、残留を勝ち取った。

そういうのが今年の名古屋に皆無過ぎた。
ポッと出の選手の活躍も無いのが今の名古屋だ。


14●総括


このチームの内容では
名古屋がリーグで苦しむことは
火を見るより明らかである。

むしろ毎年の残留争いが
勝ち点37〜38の攻防をしているのに、

勝ち点30で、よく最終節まで
残留争いができたと思う。


15●雑感


さて・・・こうやって見ると、今の名古屋に疑問が思い浮かぶ。

それは「なぜ名古屋は以前のように
お金の力で大補強をすることをやめたのか?」ということだろう。


昔はこれはスゴイという外国人選手が必ずいた。
ストイコビッチ、トーレス、バウド、ウェズレイ、マルケス、
ヴァスティッチ、ケネディ、ダニルソンなどなど・・・、

毎年大赤字だ大赤字だ言われても、
プロ野球球団の赤字補てんに親会社が20億円払うように
トヨタマネーで名選手をたくさん買えた。

春にはとりあえず他のJクラブで実績がある選手を
買うことも普通だった。


でも今年の外国人選手は
シモビッチ、オーマン、イ・スンヒは上記の選手達に
実力的にもほど遠かった。
(結果的にオーマンはほとんど使わなかった)

過去のシーズンで、外国人枠を
一人余らせてリーグ戦をむかえるのは
名古屋ではあまり聞かない。


グランパスは毎年赤字を生み出しつつも親会社の
トヨタグループに常に助けてもらっていたけど、
2016年春に名古屋グランパスが
トヨタの子会社化となった影響が大きいのでは?

トヨタからもっと節約をしろと求められたのでは?
と勘ぐってしまう。


サッカークラブは地域に貢献するのは当然だけど、
トヨタの一部の人から見ればグランパスは
赤字製造工場にしか見えなかったのではないだろうか?

サッカークラブは打ち上げ花火のように
地域の皆を楽しませるものと考えず、

赤字のトヨタ支店の工場と考えていたのなら、

「このまま降格して規模を縮小すれば
裏で糸を引く人の望む通りになるだろう」。

現に豊田章一郎も「トヨタは財布じゃない」、
「いつまでもスポンサーでいられると思うな」
グランパスに喝を食らわせている。


もしかしたら今回の迷走、低迷、降格、
そして節約して結果を出せと言われるのは、
これから何シーズンも暗い影を落とすかもしれない。


追記
トヨタは降格の翌日名古屋グランパスへの
支援縮小を示唆した。



16●終わりに・・・


降格することはクラブとして
大きな経験になると言われているけど、

実際降格ラインより下に長い間居て、
カップ戦や天皇杯が今年ほど
心の底からどうでもいいと思う年も無かった。


また名古屋はこれまで降格危機を何度も経験したけど、
毎年のように降格ラインにいる甲府や新潟とは
覚悟の差は大きく感じた。

グランパスに関わる人は「序盤の勢いを取り戻せば・・・」とか、
「怪我人が戻れば・・・」、「闘莉王が戻ったから・・・」、
「最後は湘南戦を残しているから・・・」と
常にどこかで楽観はしていなかったか?


そして下位に低迷するチームに
外国人FWの補強がいかに大事かも
今さらながら思い知った。

以前は補強できたのに2016年できなかったのは、
FWはシモビッチ、永井、川又、野田、松田など
このポジションに人材が豊富だったからだし、
優良な外国人FWの値段が高かったからかもしれない。
(甲府のブラジル人トリオも使えるかは未知数だった)

でも永井はあまりにも決定機を外しすぎるし、
シモビッチは途中からマークが厳しくなり、
得点が減ったのは救いようがなかった。



自分が今年のグランパスの試合を見てきて
一番印象的だったのはサポーターの「あたたかさ」だった。

どんなに選手が不甲斐なくても、
まったく話にならん大敗の試合をしても、
応援をやめることはなかった。

応援拒否とか、途中で応援停止で
幕の片づけをしてもおかしくなかったけど、
応援を続けていた。



そんなサポーターのためにも
ここで名古屋のJ1復帰を少し祈りたい。



参考 名古屋グランパスサポーターズミーティング
http://nagoya-grampus.jp/news/assets_c/2016/08/supporters-meeting2.pdf
※この知恵ノートの書いてあることが全部正しいわけではありません。