知恵ノート83
「真のサッカーファン」とは一体何か?
「真のサッカーファン」とは
一体何か?
この知恵ノートでは、サッカーファンが
よく話されているこの問題について書いてみます。
自分がこの問題について長く考えた
結論を先に書かせてもらうと・・・
「真のサッカーファンは存在しない」
というのが自分の中での結論だ。
言うなれば・・・
「サッカーを好きになれば
誰もがサッカーファンと名乗っていい」。
昨日日本代表の試合をテレビで見て
サッカーを好きになった人はサッカーファンだし、
Jリーグの試合を観に
毎週現地へ応援に行く人も
サッカーファンだし、
海外サッカーの深夜の中継を
見るだけの人もサッカーファンだし、
野球が一番好きだけど、
サッカーもたまに見る人もサッカーファンだし、
30年間サッカーで飯を
食っている人もサッカーファンだし、
ウイイレやイナズマイレブンしか
サッカーを知らなくても、
たぶんサッカーファンだし、
にわかサッカーファンと呼ばれるものも、
サッカーファン以外のナニモノでもない。
・・・という結論で、この知恵ノートが終わってしまうと
ちょっと味気ないので、
自分がこれまで会って来た人の話や、
「なるほど!」と思う話を見て
「これぞサッカーファン!」と思うことを
ここに載せておこうと思う。
言うなれば、これ以降は
ただの自分のポエム(詩)みたいなものです。
良かったら見てください。
■1 サッカーはどのような試合でも
楽しんで見ることができる。
サッカーが好きなら
男子サッカーでも女子サッカーでも、
少年サッカーでも高校サッカーでも、
社会人サッカーでもJリーグでも、
海外サッカーでも日本代表の試合でも、
「サッカーならなんでも楽しめる!」
そう思う人たちは本当に
サッカーファンなのは間違いない。
よくサッカーの「面白い試合」、「面白くない試合」を
語る人がいるけど、サッカー自体
面白いと思う人からすれば、
何が面白くないのか?と不思議に思っている。
また世間でよくいる「Jリーグは見ないけど代表は見るという人」や、
「女子サッカーは見ない人」や、「ワールドカップしか見ない人」は、
何のわけへだて無く見ることができるサッカーファンからすれば、
「サッカーを存分に楽しんでいなくてもったいない」と思われる。
悪く言えばサッカーならなんでもアリか?と思うけど、
どんなサッカーでも楽しめる人が
本当に幸せなのは確かだ。
■2 生でサッカー観戦するのが一番。
当たり前だけどサッカーは生(現地)観戦が一番楽しい。
選手も審判も懸命に走り、一つの試合を作る姿は面白く、
目の前でとんでもないシュートを見せられたり、
カメラが映らない場所で選手が駆け引きをし、
選手が人生を賭け、勝負し戦い続ける・・・
目の前の熱い生の試合は
未来がわからない物語を楽しむ面白さがある。
そして、それを見るために
お金を払ってしっかり見る。
それこそまさしく
サッカーファン以外の何ものでもない。
モニターに映るサッカーもいいけど、
生の楽しさを否定してしまうのは大損である。
モニターだけの試合が一番と思う人は
サッカーに対する考えを変えてみるのもいいかも?
■3 地元のJクラブや高校サッカーを応援している。
何のわけへだてなくサッカーが好きで、
生で観戦するのが一番に思うのなら、
地元Jクラブや高校サッカーを嫌いになる理由は無い。
目の前で簡単に生で試合が見られるだけでなく、
いろんな経験が簡単に手に入るので、
普通のサッカーファンなら
地元を応援するのは普通のことだ。
もちろん他のクラブを応援してもいいのは当然だけど、
サッカーが好きなら目の前で頑張っている選手達や
試合を無視しにくい。
自分が応援することで
地元や国のサッカー文化の育成につながり、
いつしか自分の住む国のサッカーも豊かになる。
それがサッカーファンが望む理想だろう。
■4 他のスポーツも楽しめるけど、
スポーツの中でサッカーが一番好きだと言える。
サッカーが最高に好きだけど、
他のスポーツは苦手という人は
あまり見かけない。
たとえば陸上競技はまさに自分自身との戦いであるうえ、
ジャッジはサッカーと比べられないほど公平だ。
ラグビーはサッカーと歴史の深い肉弾戦の強いスポーツだし、
テニスには1対1のしびれる戦いがあるし、
フィギィアスケートは芸術性が高いスポーツだし、
モータースポーツは人間の性能を大きく超えたレースだ。
それぞれスポーツに面白いところは山ほどある。
それを認めたうえでサッカーが一番と言う人は
やはり説得力がある。
それに他のスポーツの長所と欠点を知れば
ますます面白くサッカーを見ることもできる。
■5 サッカーファンを広めようとする。
まるで宗教のようだけど、
スポーツとはある意味宗教と言っても過言ではない。
サッカーファンを増やすことを、
何のためらいも無くできるのは
サッカーファン、いやスポーツファンらしいことだ。
この知恵袋でもサッカーファンを増やすために
サッカー初観戦の人に優しく、くわしい回答をする人も多い。
自分が面白いと思うものを受け継いで欲しい欲があるし、
他の人の試合の見方を知って、
「そういう試合の見方もあるのか」と感心することもある。
もちろん「サッカーは人と一緒に見るだけでも楽しい」
と思う人だって、サッカーファンだ。
■6 勝っても負けてもサッカーの応援を
やめることはない。
サッカーファンになってすぐの頃は
応援するクラブが負けると信じられないほど頭にくる。
応援チームが負けても
応援することは普通のことなんだけど、
逆転負けを見ただけで
「もうサッカーファンをやめる」と言って
本当にやめてしまう人は意外といる。
その次は連敗街道を走った時や、
好きな選手が辞めてしまった時や、
降格してしまった時などなど・・・
「サッカーファンをやめるきっかけ」は
選手の入れ替えが多い分、サッカーには多いと思う。
特に3年経てばスタメンの大半が違うなんて
サッカーの世界ではよくあるだけに。
それでも今のサッカークラブの勝ち負けを楽しんだ先に、
選手の歴史、クラブとしての歴史、その国のリーグの歴史、
サポーターの歴史、サッカーがもたらした地域の歴史・・・
・・・などなど、多くのことを楽しむようになれば、
サッカーファンとして人間として熟成されるように思う。
■7 自分の中に理想のサッカーを持っている。
「自分の理想のサッカー」
持っていなくてもいいけど、
持っているとサッカーを見るのが面白くなる。
攻撃主体のサッカーか、守りつつカウンターで戦うとか、
サイドを活かすか、中央から突破するか、
パスで攻めるサッカーか、フィジカルでモノをいわすか・・・
サッカーの戦い方は自由で、
自分の好きな戦い方があった方が
サッカーは見ていて楽しい。
試合を見て
「自分は好きじゃなかったけど、そういう風に戦うか」
なんて楽しめることもある。
ただ注意したいことは理想のサッカーを持っていても、
意味も無く人と戦術論を戦わせないことだ。
例えば日本代表が3-5-2か4-3-1-2の
どちらで戦うべきか?と友人と激しく議論をしても、
残念ながらベストアンサーは出ない。
その議論も現実で監督や
チームにも活かされることはないので、
友人と仲が悪くなるだけである。
■8 サッカー経験者を尊敬する。
「サッカー経験者はそれだけで
サッカーファンより偉いのか?」
掲示板でよく話されている話で、
これも回答が無い話だ。
でも、すごくサッカーが好きな人は、
選手に対して尊敬の念をあらわす人が多い。
自分の人生という時間を使って、
毎日何時間もサッカーについて考え、
トレーニングをし、家族を巻き込んでお金もつかい、
サッカーに打ち込んだ人も多いだろう。
そういう人とサッカーに打ち込んでいない人の
人生は間違いなく違うもので、
たとえ選手としてプロになれなくても、
魂みたいなものを認めるのもサッカーファンと
言えるのではないだろうか。
ところで前から気になっていたことだけど、
日本ではサッカー選手に対する敬意が低いように思う。
本田が2本シュート外したら、
「サッカーやめろ」だの「しね」だの平気で
ネットに書けてしまう人が多いのはどうなんだろう。
そんなことを言うのは全員子供にしてもだ。
■9 サッカー以外の楽しみを持っている。
真のサッカーファンとは?というタイトルに反するけど、
サッカー以外の楽しみを持っていないと、
サッカーを好きでい続けられないのは
厳しいのではないかと思う。
理由は■4他のスポーツを楽しめる・・と似ていて、
例えば旅が好きでないと、遠いアウェイに応援なんて
できないのではないだろうか?
例えばサッカーの試合がおこなわれていない日は
何をすればいいか迷うとなると、それはそれで可哀想にも思うし、
オフシーズンに入ると抜け殻のようでは寂しい。
「サッカーだけ大好き」では
いつか限界が訪れるように思う。
■10 サッカーファンを名乗る以上、
誰にも迷惑をかけない。
残念なことだけど、サッカーファンと言えば
日本代表が試合をしただけで渋谷で騒ぐ人を思い浮かんだり、
Jリーグの5万人の観客のうち、1人が事件を起こしただけで
サポーターは全員悪人だと思う人がいる。
そんな人はごくわずかで、
そんな人はサッカーファンではない!と説明をしても
事件として起こった以上、認めざるをえないだろう。
だから「真のサッカーファンは人に迷惑をかけない」
と、ここで書いておきたい。
もちろんこういう目立つ行為だけでなく、
自分の家族にも迷惑はかけず、
仕事場にも自分にも迷惑をかけず、
周りの人を幸せにし続ける・・・
そういうサッカーファンが理想でありたい。
■11 何十年経ってもサッカーを好きで居続ける。
サッカーを好きで居続けることは意外と難しい・・・
サッカーを好きになってから何年経っても好きなんだから、
誰でもできそうなことに思うけど、
心からサッカーに没頭し続けるのは
年齢を重ねるほど難しくなる。
この知恵ノートを書く自分の周りでも
サッカー観戦をやめていく人がいた。
もちろん観戦に行かなくなるのに、
どれもしっかりした理由がある。
子供が生まれて忙しくて行けなかったり、
仕事がありすぎて疲れで観戦に行けない、
年齢的に遠くへ観戦に行くのが大変すぎる、
年齢を重ねるといろんなものが俯瞰的に見えてきて、
大事な物がわかってサッカーが面白くなく思える。
単純にサッカーに飽きることや、
サッカー観戦をしている時間があるなら
自分の人生をなんとかしたいと思ったりなど・・・
どれもこれも仕方のないことのように思う。
たとえば子供が病気の時にサッカー観戦が
考えられないのは、年をとれば当然のことだ。
(サッカー観戦が仕事でない限り)
そしてこれを書いている自分も年々
好きで居続けるのが難しくなってきている。
サッカーファンを名乗る以上、
どんな理由でも乗り越え、
毎週楽しくサッカーを見ることができる。
不変的なサッカーに対する興味を
かね備えた人こそ、
真のサッカーファンである!
と言ってもいいのかもしれない・・・。